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ろめ日々の雑記=すなわちその日どんなネタを考えていたか、と化している妄想屋の日々の戯言



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 例えば。
 マエズロスとフィンゴン。
 片方は逃げた方が利口だと分かっているのに足は動かず、片方は逃がしたらおしまいだと思っているから命を賭けて追いかけている。体で、魂で、存在すべてで求め合って奪い合って与え合って、感じているのは荒れ狂う幸福と穏やかな眠り。

 例えば。
 フィンウェとフェアノール。
 力だけは全く同じな強さの向かい合うベクトル、ただし質がそっくりなようでいて少しも同じじゃないものを真っ向からぶつけあっている、そしてそれに片方は気づいているのにもう片方は気づいていない。回避しようと手を尽くすものの、もちろん、この勝負は先に気づいてしまった方の負け。勝つためには逃げなくてはならない。逃げて逃げて逃げまくって、逃げ切り勝ち、とはちょっと言えないところで何かが少しだけ変化した。

 例えば。
 アナイレとマエズロス。
 永遠は停滞でないことを知っているから、どんなに心地よかろうが共には歩めないと知っていて、最良の友人関係を築くことにした。周囲がどんなに言おうとも、その世界はふたりだけのもので、ふたりだけの世界があると分かっているから、何も気にするべきことじゃないと分かった。だから距離は関係なくなった。お互いの世界が広がり縮まり変化していくのを、誰が知らなくてもお互いだけは確実に分かってくれる、そんな信頼。

 例えば。
 エレンミーレとルーミル。
 足跡を残しながら逃げる港とそれでも帰り着く船。

 例えば。
 フィンロドとトゥアゴン。
 沈黙が苦にならない背中合わせの合わせ鏡。当然虚像は映らない。追いかけると遠ざかる。立ち止まると近くにいる。ひとりずつ歩いているけど、どこか深くでは鏡のようにそっくりで反転した動きをしてると感じている。おかげで自分の運命を見つけてそのままにつき進んでいける。待たない。追いかけない。気がついたら一緒にいる。

 例えば。
 マエズロスとトゥアゴン。
 立場が違う育てたひとが違う、たったそれだけでこうも変化がおきるものかという純粋な好奇心と激しい嫌悪感。同じであったものは心地よいけれど違ってしまったから気持ち悪いけれども惹かれて惹かれてたまらない。対等である。だって同じものだから。叩き潰したい。だって違ってしまったものだから。愛したい。だって同じ苦しみを感じているのだから。いとおしい。だって同じものを慈しんでいるのだから。

 例えば。
 マハタンとノォウェ。
 自分でも時折わからなくなる自分というものを、会えない相手はしっかりとわかっている。話す。教えてくれる。そうして自分を保つ。相手のことを考える。思う。それで心が充分に満ちる。だから生きている。

 例えば。
 オルウェとフィナルフィン。
 聖なる病気。

 反転したら何か出るかも。

 “永遠は停滞ではないのです、残念ながらすべてが変わっていくのですから。であるからして、永遠をゆくためには一瞬を永遠に変えるすべを知らなくてはいけない。死か永遠か、あの一瞬で選び取るならば時間稼ぎの意をこめて永遠を取るべきなのでしょう。幸いにして、彼は一瞬で永遠を手に入れるすべを決して知りはしなかったけれどわかっていた。そう感じるのです”
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