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ろめ日々の雑記=すなわちその日どんなネタを考えていたか、と化している妄想屋の日々の戯言



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ヌーメノールにハマってます。

 何のこっちゃと自分でも思いますが、この!私が!10年ばかりアマンから全然出られてないこの私が!ベレリアンドもまだまだな私が!ヌーメノールにハマりました。くっ。いや、しかし、本命ご贔屓様はともかく口を開けばフィンウェさんフィンウェさんな私が始祖王からの建都とその滅亡までの変遷って意味でヌーメノールにハマらないわけはなかった。必然だったのかもしれませぬ。

 というわけで久々にブログでまとめとこ、と思ったわけです。何がきっかけでヌーメノール楽しイー!になってるのかを。忘れますし。後々読み直して「ああ!」ってなるでしょうし。

 そして本日2016年9月22日、9/22はビルボとフロドの誕生日(おめでとー!)、そしてTolkien Writing Dayの3回目♪
 Tolkien Writing Day(トールキン関連の記事を書こう!なオンラインイベント)
 今回のお題のひとつが「ヌーメノール」なんですね。今日書かずにいつ書くのよ。

 今ちょうどハマりたてのひとがヌーメノール人の寿命ってさ、というところを考えてみた…そのへんの感じでお送りします。








 きっかけは2016年トールキンワンドロ&ワンライの第4回のお題が「王・指導者」だった…こと、になる、はず。

 奇跡のような友人(なんとシルマリルの物語のみ読了済の映画未見)とホビットからLotRまでのEEイッキ観マラソンの真っ最中の日、次回お題として「王・指導者」を見ました。ちょうど少し前に「アラゴルンはヌーメノール人の末裔だから寿命が普通のひとよりちょっと長い」ていう解説をしていた私「ヌーメノール人の寿命はじわじわのびていったんだっけ?」と思い追補編をぱらぱら…あー、それならば王家のひとはある一定のとこまで必ず伴侶を先に亡くすのかそれでイトコ婚もなしよがきつくなったのかなーなどとフワッと考えながら眠りにつきました。すやぁ。

 で、目覚めてから「王・指導者」というお題に対して、普段エルフばっかだしちょっと違う王書いてみよっかな→触ってないとこといえばヌーメノールだな→調べてみたら寿命の違いについて気になったな→ええいわからん年表つくっちまえ→やだ…ハマりそう…
 という実に私らしい経緯をたどります。

 調べたり考えていくうちに、ヌーメノールの話全体は、人間と神(エルとヴァラール)の距離感が変わっていく話なんだなーと思ったり、2代目ヴァルダミアと4代目タル=エレンディルの関係がトールキン教授とクリストファー教授に思えて来たり、そもそもエルロスのネーミングセンスがキラキラなのか父エアレンディル大リスペクトなのか疑わしくなったり、アセラスの記述がないことにビビったり、気になるひとは多けれど未だかなり初期のあたりを彷徨っている…状態ですが(そして発作的にツイッターで呟く)、今回の記事は「ヌーメノール人の寿命ってさ」という話になります。

 そもそもヌーメノール人というのはざっくり言ってベレリアンドのエダイン3家の子孫たち。てことはまず寿命の話をするならエダインの寿命ってさ、という話に戻らなくてはいけません。HoMe(未邦訳草稿集The History of Middle-earth)11巻に年表等いろいろ…ありましたので、第1紀のエダイン年表も作りました。その時判明したのは

 20歳くらいで成人、25歳くらいで第1子誕生、兄弟間の歳の差は2~4歳、寿命は90歳前後

 でした。これをふまえてヌーメノールは?ということになるのですが、まず生年も没年も統治年月もばっちり分かってる王家から参りましょう。第1子誕生時と没時の歳です。(主に『終わらざりし物語』のエルロスの家系 記述によります)

1、エルロス・タル=ミンヤトゥア
 第1子119歳、死去500歳    
2、ヴァルダミア・ノーリモン
 第1子131歳、死去410歳
3、タル=アマンディル
 第1子158歳、死去411歳    
4、タル=エレンディル    
 第1子171歳、死去401歳 ※「遅い結婚」の記述あり
5、タル=メネルドゥア    
 第1子157歳、死去399歳
6、タル=アルダリオン    
 第1子173歳、死去398歳
7、タル=アンカリメ    
 第1子130歳、死去412歳
8、タル=アナーリオン    
 第3子171歳、死去401歳 ※第1子の娘の生年は不明
9、タル=スーリオン
 第1子146歳、死去400歳
10、タル=テルペリエン    
 未婚、死去411歳 ※「長生き」の記述あり
11、タル=ミナスティア
 第1子160歳、死去399歳
12、タル=キアヤタン    
 第1子166歳、死去401歳
13、タル=アタナミア大王
 第1子186歳、死去421歳    
14、タル=アンカリモン    
 第1子150歳、死去400歳
15、タル=テレンマイテ    
 第1子141歳、死去390歳
16、タル=ヴァニメルデ    
 第1子129歳、死去360歳
17、タル=アルカリン    
 第1子110歳、死去331歳
18、タル=カルマキル(アル=ベルザガール)
 第1子102歳、死去309歳
19、タル=アルダミン(アル=アバッターリク)
 第1子91歳、死去281歳
20、アル=アドゥーナホール(タル=ヘルヌーメン)
 第1子89歳、死去253歳
21、アル=ジムラソーン(タル=ホスタミア)
 第1子78歳、死去235歳
22、アル=サカルソール(タル=ファラッシオン)
 第1子84歳、死去226歳
23、アル=ギミルゾール(タル=テレムナール)
 第1子75歳、死去217歳
24、タル=パランティア(アル=インジラドゥーン)
 第1子82歳、死去220歳
25、アル=ファラゾーン(タル=カリオン)
 (死去)201歳 ※寿命ではない

 25人いると資料としては良い感じなんですけど書くのに疲れますね…。初代エルロスは半エルフなので例外。として、2~15代までは分かりやすいですね。平均寿命が400歳。これはエルロスの血を引く者すべてに適応されるらしく、6代目タル=アルダリオンの時代に明らかにされている家系図で、傍系の世代の刻み方が王家直系とほぼ同じことがわかります。16代目タル=ヴァニメルデ(3人目の女王)からわかりやすく1世代30年くらいの割合で寿命が縮みます。それでも末期は220歳。最後の王アル=ファラゾーンは寿命ではないので除きます。

 寿命が縮んでいく末期はともかく、初期の王家の寿命400歳を基準に話を進めます。6代目タル=アルダリオンの話が『終わらざりし物語』には収録されているのですが(『アルダリオンとエレンディス 船乗りの妻』)、この話を物凄くおおざっぱに要約して寿命関連でまとめますと
アルダリオン(王家)「私と妻(一般人)の結婚がうまくいかなかったのは寿命が違うせいだー!
もう今後王家の者はエルロスの血を引く者(寿命が同じ)と結婚するように法を変える!」
 ……ということになります。王家と一般人では寿命が違います。どのくらい違うか?このヌーメノール6代目王の時、第2紀800年代で、民の寿命は250歳くらいです。

 ヌーメノール一般人の平均寿命が250歳前後とすると、追補編にあるヌーメノール人の寿命は「はじめのうちは並みの人間の3倍もあったほど」とだいたい一致します(並みの人間=エダイン平均寿命の90よりちょっと少ないとして)。また『終わらざりし物語』のエルロスの家系の注釈には「実際の寿命が尽きるよりも前、壮健でなくなるのはエルロスの子孫はおよそ400歳、その家系でないものは200歳前後」とあります。これらもまあまあ一致と言えます。

 寿命について知る手がかりになるのは兄弟間の歳の差です。先程出て来た王家の傍系の世代の刻み方がわかる家系図ですが、2代目ヴァルダミアのこどもたち以降、6代目タル=アルダリオンの世代までの王家直系および傍系の兄弟間の歳の差は約10歳。兄弟間の歳の差約10歳、というのは、追補編をめくってもらうと分かるのですが、ドワーフ(ドゥリン一族の家系図)と一致します。ドワーフの寿命は250~300歳。おっ、ヌーメノール一般人の平均寿命250歳説に信憑性が出て来たぞ。え、これは王家の家系図の話だろうって?いえ、王家は少なくとも6代目アルダリオンの時代まで、一般人と結婚しているはずなのです。

 6代目タル=アルダリオンがぶちキレて言った「王家の者はエルロスの血を引く者と結婚すべし」なのですが、それと同時にヌーメノールには「ハトコ以上に近い血縁で結婚するなんてとんでもない!」という法があります(参照:アカルラベース)。この近い血縁で結婚するのはちょっと…というのはエルダールの慣習から来ていると思います。ゴンドリンでのイドリルとマイグリンの話で出てきますので、例えゴンドリンのローカルルールだったとしてもイドリルの息子のエアレンディルの息子のエルロスの国ですからヌーメノールまで引き継がれてもおかしくはないと。しかしですね、400歳寿命の王家で、結婚できるくらい血の遠い親族が出来るのは、一体いつからなのか?王家のこどもの数が初期は平均4人なので、傍系を3人くらいとしても、4代目タル=エレンディルの世代で親族は50人いくかどうか。親族と結婚しろとか言ってる場合ではない。5代目タル=メネルドゥアの世代で100人超えるので遠い親族もいそうなものですが、タル=メネルドゥアは一般人と結婚したのが分かっています。この一般人の妻アルマリアンも、その父ヴェアントゥアもどうやら250歳くらいまでは生きているようです。

 寿命が250歳くらいなら兄弟間の歳の差はドワーフの例から10歳くらいあっても差し支えはなし。エダインの2~4歳と比べるとえらい伸びようですが、よしよし、これでヌーメノール人の寿命は250歳ということに…。でもいきなり住み始めたからって250歳までいくのか…?移住した時点で老人だった場合はどうなるんだろ…。それ思うと、ヌーメノールに住み始めて、世代を重ねるごとに少しずつ寿命が伸びていく方が普通にありえそうだよな。一般人は地域の作用(ヴァリノールにとっても近い空気の問題?)で寿命が伸びる。王家はそのエルフの血ゆえに寿命が長い。元から長い。そんな感じで裏付ける記述はないだろうか…。ん~…。などと考えつつもう1回家系図を見て、ん?んんん??

 参考にしている王家の家系図に、エルロスのこどもたち、ヴァルダミアのきょうだいたちの歳の差は、なんと書かれていません。えっちょっと待ってじゃあここは10歳差じゃないかもしれない。もっと少ない歳の差かもしれない。ということは、実質兄弟間の歳の差が約10歳であるのは3代目タル=アマンディルの世代から。タル=アマンディルは第2紀192年生まれです。エルロスが即位してから約160年の時が過ぎています。160年あったら、寿命90歳→250歳まで、世代を重ねてのびることは可能ではないか!?もしくは、寿命250歳までいかなくても、兄弟を10歳くらい離して作ってもいいくらい長寿には到達できるのでは…?

 よって、私はヌーメノール人の寿命は、移り住んだ第一世代から、世代を重ねるごとに少しずつ伸びていった説を提唱したいと思います。5世代くらいで250歳まで到達できるといいな。

 最初に思った「王家のひとはある一定のところまで必ず伴侶を先に亡くす」は、ある一定どころか一般人と結婚すれば避けられない事実のようです。しかしじわじわ寿命が伸びていくとすると、2代目ヴァルダミアは自分が結婚する前に母を寿命で亡くしているでしょうし、妻も寿命で、自分の寿命からすればあまりに早く亡くすわけです。初期つらい…。切ない…。そんな初期の数代からすれば、タル=アルダリオンの「妻と寿命が違うからうまくいかなかったんだー!」は「250歳も寿命がある妻なのに何言ってんだ;」くらいの案件なのかもしれません。

 ところで今私が一番興味あるのはこの2代目ヴァルダミアです。寿命の話でね?

 2代目ヴァルダミアは「ヌーメノールの男の世継は王笏を拒めないが、王であればいつでも王笏を譲れるため、自分の血筋の世継にすぐに譲り渡すことができる」の唯一の実行者です。彼がすぐに王笏を息子に譲った理由は書いていないのですが、父のエルロスが亡くなった時、ヴァルダミアは381歳。結果として彼は410歳で死去するため、後世からみれば「老齢だから、かな?」とは思うのですが、当時、当事者であったヴァルダミアが、それをどれくらい実感していたかは想像のしがいがあります。何せ父エルロスは500歳で亡くなってます。しかも500歳になるまで衰えを見せず…(衰えたから潮時だと思う。じゃあね!くらいな感じで亡くなった感がなくもない)。半エルフであるエルロスの長子として、自分の、ひいてはきょうだいを含めた自分たち、エルロスの子孫たちの寿命がどれくらいあるものなのかは誰にも分かりません。実例が全くないからです。衰えるのも400歳くらいよってことはまだまだやれそうな感じだったと思うしさ。

 ヴァルダミアはエルフや人の子から集めた古い伝承をこよなく愛し、ノーリモン(The Knowledgeable)という呼び名のあるひとでした。381歳で王笏を手にした時、行く末を思った時、自分の寿命が父ほどには長くないだろうことを推測して、先がまだまだある息子に譲った…とかいう賢者ぶりを発揮していたんだとしたら良いなあ、と妄想しています。いや、自分の研究にかまけたくて「王にはなりたくなーい!」したんだって良いけどね?

 寿命ひとつとっても考えがいがありすぎますヌーメノール。ちょっとずつですが考えをまとめていけたらいい、な。初期も中期も後期も考えるところいっぱいあるもの…!あんまり記述無いけど取っ掛かりはたくさんあるから…!

 この記事はTolkien Writing Day(http://bagend.me/writing-day/)に参加しています♪
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