忍者ブログ
ろめ日々の雑記=すなわちその日どんなネタを考えていたか、と化している妄想屋の日々の戯言



[451]  [450]  [449]  [417]  [416]  [415]  [488]  [414]  [413]  [412]  [411
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 エアレンディル&エルウィング、インディス→フィンウェ、フィンゴン→マエズロス、メルコール、→マグロール、フェアノール→←フィンウェ、ガラドリエル→、エレンミーレ。…………とあるCDを聞いていると11曲中8曲がそれぞれこんな感じで聞こえてくるのですが。どうしたら。

 それはともかく、今日のゼミは白熱しておりました。なぜか男子が帰りやがるもので、お菓子つまみながら女性陣、議論する議論する。恋ってなんだ!? しかもその教材が『春琴抄』(谷崎潤一郎)と『ピアノ調律師の妻たち』(ウィリアム・トレヴァー)。テーマ、盲目の人は世界をどうやって認識するか、また、盲目の人への愛を捧げる側の心持は!?

 ………んな難しいテーマが90分のゼミで出るわけはないのですが。に、しても、春琴って一言で説明するならデレる隙すら最後にちらっとしかない驚異のツンだよねとかいう話に成りかけて、うーん、言葉って不思議だ、という罠にまた陥りかけたり。萌えにせよツンデレにせよ、浸透する時は早いくせに、意味が完璧に定まってないあたりがまたなんとも。

 で、この『ピアノ調律師の妻たち』がまたすっごく私の脳内をしっちゃかめっちゃかに掻き乱してくださいました。…ええもういつものことですがフィンウェさんがね!呆れるが事実だよチクショウっ。盲目のピアノ調律師のふたりの妻の話なんですが、オーエン・ドロムグールド(盲目のピアノ調律師)が、ベルという女をフってバイオレットと結婚して結婚生活約40年、バイオレットに死なれてしまって、後妻に迎えたはかつて若い頃にフったベル、…という状況ね。若い頃に結婚した妻、年老いてから結婚した妻。しかし自分は盲目で、もちろんひとりでは生活できない。しかし、ハンサムではあるらしい。ちなみに先妻はむしろブスだったが、後妻は美人で、それを自分でもわかってる。そんな後妻は、先妻が言葉によって築き上げた夫の世界を、今度は自分自身の言葉で塗り替えていく…。

 盲目のひと、この話の場合の彼の世界は、妻の言葉によって色を持っていたわけです。山々の青ひとつとっても、それは先妻に言わせれば「煙のほのかな青」であり、後妻に言わせれば「ワスレナグサの青がやっとわかる程度」であって、そのふたつの言葉からイメージされるものはおそらく違う。ピアノ調律師はそうやって今現在、揺らぐ世界にいます。彼は老人です。そして思うのがまた強烈なこと。

 引用。訳者がわかりませんすいません!『「そうだね、そうだね」とオーエン・ドロムグールドは同意した。そうすることが公平だったからだ。ベルが彼女なりの主張をするのは責められないし、主張には損害や破壊はつきものなのだ。最後にはベルが勝つだろう。いつだって生者が勝つのだから。だが、それもまた公平に思えた。最初に勝利を収めたのはバイオレットであり、彼女の方がよりよい年月を取ったのだから』……これはオーエンが盲目であることが重要な前提ではありますけど、しかし、主張には損害や破壊がつきもの、そして最後に勝つのは生者であるということ…どこにでも適応できそうで!

 彼、オーエンは本当にふたりの妻を愛しているのだとは思うのです。そもそも始めに、美人のベル(もちろん、彼にとっては顔の造作は関係がないのです…見えないのですから)をフってバイオレットを選んだ。バイオレットが死んだ時、それでも過去の気持ちを変えていなかったベルと結婚して、とても敏感な彼はベルに非常に優しく接します。だけど奇妙なことに、愛されていてなお、ふたりの妻たちはそれぞれに「試合に勝って勝負に負けた」気分が拭い去れないのです。そしてオーエンに「くぉぉおっ!?」と思わされた箇所が、私、あります。

 『彼は自分を二人の女に与えたのだ。最初の女から身を引いたりはしなかった。二人目からも引かなかった』

 ………だーかーら。そういうネタ振られたら考えちゃうでしょうがーぁ(イヤそう)。

 フィンウェさんの再婚理由については問題もなくごく普通で真っ当なものと考えていますけど、まぁ一番の誤算はフェアノールの存在なわけですよこの場合は。少なくともその観点で言えばフィンウェさんは、自分の息子が自分に対して抱いている感情の正確なところを把握していなかったし、タイミングも最悪だった。…タイミングに関しては、再婚しようと思うきっかけでもあるわけなので、どちらが悪いとは言えないんですけど…。

 ろめのフィンウェさんはミーリエルとインディスを比べることはしませんが(「違うな」とは認識してはいるけど優劣はつけない&むしろミーリエルのことは半分以上覚えていない(爆))、すごく身近にはフェアノールがいるわけで、むしろインディスの対抗相手は自ら去ったミーリエルではなく、今目の前にいるその息子なわけです。大体フィンウェさんの愛も奇妙なまでに息子に対して多大。本人の言うとおりインディスに対する愛とミーリエルに対する愛はベツモノでしょう。そしてそのどれともフェアノールに対する愛はベツモノでしょう。こちらから渡すものは確かに愛なのです。質も量もひとによって違う上にまったく公平ではないものですが。

 再婚という史上唯一の所業をしてるのがフィンウェさんです。した方はちょっと置いとくとすると、非常~に気になるのはミーリエルとインディス、お互いがお互いをどう思ってたかってとこですよね。やっぱり「試合に勝って勝負に負けた」気分なんですかね…ぇ。にしてはろめのミーリエルは気位が高すぎますし(爆)ろめのインディスは一種恐ろしい執念を持っています。うーん?……ああでもウチのミーリエルはフェアノールには絶対会わないんだよなぁ…。それ考えると…うーん…?(また悩んだ)

 一方フェアノールというのはフィンウェさんにとっては大誤算の嵐、結晶ですよ(爆)。そちらは「盲目」文脈でふっと浮いたことです。「盲目の人は世界をどうやって認識するか」?フェアノールは盲目ではありませんが(……でもろめ的にはこの家系にがっつり盲人がおります(笑))、世界=フィンウェさんな時点ですでにかなりの盲目ぶりですね。フェアノールが本当に盲目だったら多分話はめっちゃくちゃ単純だったでしょう。何も起きないな(笑)(おいおい)。盲目でもないのに盲目な心だからあかんのですよ。で、ちょっとやっと世界広がるか(自分から広げるか!?)と思ったら再婚騒動で振り出しに戻、れもせずにいきなり放り出された感で、一部は開けましたが肝心なところは盲目のまま。そのままフォルメノスまでいっちゃいましたからねこの父子。

 ……ああもう…。とりあえず、悪いのはフィンウェさんです。そうに決まってます(いいがかり)(とは言い切れない)。

 今日の百人一首。

 玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする
 (私の命などいっそもう今すぐ無くなってしまえ!命が続けば恋も燃え、もうこのまま心に秘めたままにはできない。人目については困るのに)

 作者・式子内親王(しょくしないしんのう)。後白河天皇の第3皇女、賀茂神社の斎宮おつとめの後はさくっと尼になって一生独身だった皇女です。「あのひとが好きすぎて、死にでもしなければもう黙って耐えられないわ!」と、またまたはげし~い歌でございますな。こんな激しい歌贈られた相手は誰かと申しますと、……定家です。ええ藤原定家です。っていうか百人一首選者です。いや、はっきりこうだった!と分かっているわけではないのですが、そのものずばり「定家」という名のお能もあるくらいで、世間一般に一番良く知られているお相手であるのは間違いありません。

 死なないと黙っていられそうにないの!激しい恋もやはり盲目、ですかね。落着きなさい~(んなこと言って落着くようならこの世に恋はない)。
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Adress
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
きのうフィンウェが、視界が暴れしたかもー。
それで輝き授業したいなぁ。
BlogPetのフィンウェ URL 2007/10/16(Tue)14:13:37 Edit
無題
どんな大暴れですか!>視界が暴れ(イングウェか?)
輝き授業ってことはシルマリル等の光の輝き方、とかなんでしょうか。ちょいと受けたいです、お知恵ちゃん。
悠樹 2007/10/16(Tue)17:20:32 Edit
忍者ブログ   [PR]
 
PR