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ろめ日々の雑記=すなわちその日どんなネタを考えていたか、と化している妄想屋の日々の戯言



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 えー、本日某大手出版社の筆記試験なるものを受けてきたのでありますがね、選択及び漢字問題はいいよ。できなかったけど(ダメじゃん)。作文が問題なんですよ。私の勝手な思い込みと言えばそうなんですが、いくら出版社とはいえ、作文課題はきっとエントリーシートに書くようなことをもちっと詳しく書くんじゃないかなぁと思ってたわけです。意気込みとかね。…そしたらですよ。

 「圏外」「ピン」の二つの語を使ってショート・ショートを書け。なお、ラストは「食べ物の名前が入った台詞」で終わること。

 ………いや、っちょぉ待っ、私、3年くらい時をさかのぼったかと思いましたよ!?ウチの大学の試験かっつうの!

 ちなみに私の年のウチの学校学部学科の試験内容は
 「雪解け」「放浪」「フライパン」の3語を使って散文作品を創作せよ。(この他に論文課題を選択も出来ました)

 …ええ、めげずに書きましたよ。そりゃ専門分野ですから、60分時間があるところを40分で終えて、5分タイトル考えて、途中退出してきましたとも。…おなかへってたから(爆)。

 でね、スタートの合図と共に、皆さん下書き用に配られた原稿用紙のマス目に向かい始める…私、その原稿用紙を二つに折って裏の白い方出す…マス目になんか書いてられるか…さて書くぞ。課題の語は「圏外」「ピン」…………け・ん・が・い?

 「圏外」この言葉を見て皆様何を想像されるでしょうか。携帯の電波が圏外?……いいえ、そうですよね、シルマリルファンなら奴の声が聞こえてくるはずです。脳内に。(決め付け)

 「しかし、どうやったらわれらの声が世界の圏外におられるイルーヴァタールの御許に届こう」

 マエズロス喋ったよ!(泣)チクショウもう「世界の圏外」以外思いつかないじゃないか!マエ兄め!私の思考に巣食いやがって!(逆ギレ)……仕方ないので「世界の圏外」から考える。イルーヴァタール…はおいといて。えーと世界の圏外。宇宙飛行士か?(しばし悩む)紅茶でも飲むか…ダメだオチない。えっと、別方向考えよう。えーと、ピン。風船割ったピン。んーこれこれ。…あ、革命?(好きというかたびたび書くテーマのひとつ)下書き用紙(裏の白いとこ)の上方にメモ。「紅茶」「革命」さあ来い!(何が)…来た来た来た、えー、何?「神は世界の圏外におられるからきっと、祈りは届かないのだ」…………だから私は今就職試験でだね、二次創作をやるわけにはいかないのであってだね…まあいい。メモ。さあ来い次はピン!「昨日の私の一言が、ピンで突いた風船のように彼らを破裂させてしまった」………なんでまた微妙にシルマリルテイストなんだようぅ…(泣)仕方ないからここから捻るぞ。とりあえず、革命、ってことはえー、革命で恋人で殺されるひと、よしいつものアレにしよううっしゃー!いけー!

 ―――というわけで書いて逃げて来たんですけどね。下書き用紙はゴミ扱いなので出口で「あの…ゴミは…」と聞かれて即座に「あの持ち帰っちゃダメですか」と聞き返しちゃんと回収してきましたとも。おかげで全文まるまる回収できました。珍しくちゃんと下書きしたからなぁ…。3年前の大学試験の時は、下書きもロクにしてなかったので、面接までの待ち時間に死ぬ気で記憶を総動員してもう1回書きましたとも。ええ。で、こう来たら比較検討して自分の文章力というか何というかがどんだけ向上したか(もしくは退化したか)見たくなるじゃないですか。


 まずは3年前の大学入試。お題は「雪解け」「放浪」「フライパン」。

『追憶』
 ツヅはお山に住んでいる。光と風と樹と渓に囲まれて住んでいる。
 嵐の夜には父のことを思い出す。父は放浪者である。ふらりと帰る。また行く。
 何を持って帰ってくるわけでもない。母は、そんな出好きの夫を、それでも愛していたのだろう。
 母の好きな台所で、油がなじんで黒光りするフライパンを覗きこむ。
 父はこのフライパンで焼いた肉が好きであった。
 母がこれをツヅにくれた時。そうあれは、二人ですごした嵐の夜。
 さあツヅ、ごらん。これにツヅの顔映してごらん。夜空にお星様だよ。 
 母は、そこに星空を見たのだろう。

 母が死んだ時にも父はいなかった。
 嵐の夜にひとり、父を思い出す。
 ツヅが幼い頃、まだ母がいた頃、嵐の夜には必ず父がいた。
 三人でよりそって、何も言わずに過ごしたのだ。
 嵐が止んだ明け方、父はツヅに空を見せた。厚い雲がちぎれ、流れていく。
 ふぅわりと明るくなる空。色を変えながら散っていく雲。父が言う。そら、ツヅ、空の雪解けだよ――。
 真夜中に嵐は止んだ。夜の空の雪解けを見るために、ツヅは外に出た。
 ツヅが生まれた夜も、嵐は真夜中に止んだ。雪解けた夜空には、星。星。満天の星(ツヅ)。
 父もどこかでこの空を見ているだろうか。
 
 今すぐに父が帰ってくる気がふとして、ツヅは家に駆け戻った。空で星が一つ流れた。


 っていうかですね、すでにこの時点で頭の中トールキンが駆け回ってたのがバレバレでしてよ。だって前日夜中にベッドの中で「明日何が来てもとりあえずオンナノコ出そう、名前はーえーっと短いの…夕星からツヅでいっか」とか考えてたんですから。
 で、今回。

 お題は「圏外」「ピン」。ラストは「食べ物の名前が入った台詞」。

『長いお別れ』
 今日はとっておきの紅茶を淹れた。焼き菓子だって見事なもの。髪を巻いてドレスを選んで、そうしてあなたを待っていた。
 何も知らない無邪気な姫君に見えるでしょう?
 けれどもう恋が終わったと私は知っている。
 明日にも民衆は宮殿に押し寄せて、恋人は私の父を殺す。神など要らぬ、王など要らぬと叫んで。
 祈っていたのかと問うから私は笑う。昨日も言ったでしょう?
「神さまは世界の圏外におられるから、きっと祈りは届かないわ」
 言葉は鋭いピン、風船のように膨れあがったあなたを、彼らを、破裂させてしまった。
 紅茶を淹れて、蒸らす時には他愛ない話。あなたは忙しく菓子をつまみ、愛を語り、口づける。
 私は「殺してもいいのよ」と言いそびれる。
 殺してもいいのよ。できればあなたの手で。殺してもいいのよ。姫君も死ぬべきでしょう。殺してもいいのよ…。
 慌しく暇を告げる恋人に言った。
「明日もここにいるわ」
 恋人は戸惑うように笑った。そうか、とかすれた声で言った。
 私は目の奥の熱を飲み込んで、優雅に微笑んでみせる。
 とっておきの葉は蒸らしすぎて味も落ちただろうけれど。
 (お別れに)
 その言葉も飲み込むから。
「ゆく前に、紅茶を一杯いかが?」


 JK姉に読ませたら一言で「色気が出た」と。…いいい色気!?母上に読ませたら一言で「文章が長くなった」と。…あー、1文ですかね、これあんまりハッキリしてませんけどそうですね、確かに私1文が長くなりましたね最近…。

 結局あんまり違いはわからないんでございますが、結局同じ人間が書いてるしテーマも変わってないので一次創作だろうが二次創作だろうが私の文体は…いや全体の雰囲気は変わらないが文章の組み立て方は変わった…かも…何がどう変わったんだ直すにはどうしたら!っていうか何を直すんだ!(混乱)

 しかしこういう作文って、他の皆様はどう書かれるんでしょう…あーちくしょーいいなぁ人事部、たっくさん読めるしー(そこ!?)。私営業管理部門で応募してこんなん書いてきましたけど、編集部門応募にはきっと同じ大学学部学科のコもいると思われるので、もっとマトモなブツ書いてるひとが沢山でしょう。……でもこれが私の文体なんだー書きやすいんだー変えられないっていうか変える気もない。書きたいものだし。

 結局この勉強やりたくて学校入ったんだから、譲れないものを持ってるのは良いのかもしれません。しかしこうまでちょっと思考がズレてるのをアピールすると…会社からはキラわれるかもしれません。へっ。…でも変えたくないんです。もっと小手先の技とか磨けよ!と自分で突っ込んだりもするんですけど、だって専門なんだもんコレやりたいんだもん(じゃあもっと真面目にやれ)……葛藤した試験でした。自分のトールキン依存症に焦りました。…いやきっと試験直前休み時間にミーリエル考えてたからいけないんだな。うん。きっとそうだ。やっと私ミーリエルとフェアノールの共通点を掴みました…。文字開発過程及び普及過程まで1本線で繋がりました…。ああああ結局フィンウェさんに戻った!悔しいッ(おい)。
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