忍者ブログ
ろめ日々の雑記=すなわちその日どんなネタを考えていたか、と化している妄想屋の日々の戯言



[1860]  [1861]  [1862]  [243]  [242]  [241]  [240]  [239]  [238]  [237]  [236
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 そもそもウチの子はマンドスで案内人してますが、ほんとは中つ国の妻に会いにいこうとしていたわけで。だってのにこんなことになっちまって、かといって、…そりゃね、マンドスで再会したいわけじゃないんですよ(笑)。
 ところがどっこい再会しちゃったもんだから、扉の前で出迎えた時、絶句して、妻に名前呼ばれてやっとこさ動き出して、妻の手を引っつかんで扉を飛び出して、マンドスの中央広場のすみっこで(すみっこ行く理性はあった)そこで腰が抜けてへたへた座り込んで、目を見交わして、そしたらなんとまぁ、お互い口から出たのは―――…

 という、ネタ。

「愛しき我がなせの君、うしろやすくありたまへ。汝が女、成りて相婚ておのこを生みき」
「吾が子は女か」
「いと麗しき女なり」
「……汝が子ゆえに」
「否、汝が女ゆえに。さだかなり。女が子の金の髪もて生まれしゆえ」
「何と…!」
「故、我が夫の誰ぞ知れる」
「あなや、……汝が夫のいみじうはかなきをや」
「否、我は知りき。我は汝とあり、汝が心を我が心とす。残りし事なり」
「吾が行かむとせしが、叶わず。彼の時はしかり、かの後もさらなり」
「――今や汝は何をせむ」
「案内の者なり」
「……いみじくも、ここに来める者の何と多きか」
「げにやるかたなし。…汝はノルドの族をいかに思ひしか」
「いとかたし。――赦すとも、忘れまじ」
 そう話して、ふたりはお互いを見つめあい、……吹き出した。
「…それにしても、この言葉、よく覚えてたね」
 エイセルロスは流暢なシンダリンで言う。
「…あなたもよ。よく覚えてたわね」
「シンダリンも覚えたよ。…会話できなかったら、困るだろ」
「わたしだって、クウェンヤを覚えたわ」
「――君の、言葉だから…覚えた」
 フィリエルはにこりと微笑んだ。
「わたしも、そう。――禁止されてたから、大変だったんだから!…ここではどうなの?」
「ん、大半はシンダリンだよ。噂は聞いたから、フィンウェさまが早々に切り替えさせてた」
「あら。…じゃあ今度、わたしのクウェンヤも試してちょうだい」
「……こっそりね」
 また言葉が途切れた。エイセルロスはそっと手を伸ばして、フィリエルの手をとった。
「……フィリエル」
「なぁに」
「………本当に、フィリエルなんだね」
「そうよ。エイセルロス」
「―――あいたかった…!」
 勢いよく、エイセルロスはフィリエルを抱きしめた。
「僕はバカだ。忘れていられたなんて、信じられない。――こんなに君に乾いてた。あいたかった。フィリエル。あいたかった…!」
「わたしも、よ」
「フィリエル、フィリエル、どうしよう。…口づけてもいい?」
 フィリエルは微笑んで、自分から彼に口づけた。

 と、マンドスの広間でいちゃついてるわけですが(爆)。
 このふたりは湖、クウィヴィエーネン生まれで、かつ、大いなる旅の最中に結婚して、その後離れてしまったので…共有言語は湖語です(笑)。で、その湖語は、今からしたら古文だろうなぁと。思って。ちょっと、お遊び。通りがかったひとが「案内人さんはナニ話してるんだ…?」とかびっくり。…話してることはアホなんですけどね。↓

「愛しいあなた、安心してちょうだい。あなたの娘は立派に育って、結婚して、男の子がいるわよ」
「娘、だったんだ」←孕ませといてこどもの顔見てない不届き者
「とっても可愛い娘よ」
「……そりゃ君の子だもの」
「違うわ、あなたの娘だからよ。間違いないわ。あの子の息子が、金髪で生まれたんだから」
「え…!」」
「それで、わたしの結婚相手がバレちゃったわ」
「ああ、……君の夫がどーしよーもなく頼りない奴だってね」
「ううん、わたしはわかってる。わたしはあなたと同じ心でいたのよ。同じ事をしたわ。残ったんだもの」
「僕は、行こうとしたけど行けなかった。あの時も、その後も」
「――今は、何してるの?」
「ここの案内人」
「……そんなにここに来るのが多いのね」
「本当に、ね。…君は、ノルドールをどう思ってる?」
「すごく、むずかしいわ…。赦せるけれど、忘れることはできる?…できないわ」
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Adress
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
忍者ブログ   [PR]
 
PR