思い出せない

　ウチのフィンウェさんとフェアノールは、似てます。

　どのへんが似てるかと言うと、例えるならシルマリルの登場人物がエジプト神話の神々のごとく象徴するポーズやら物やら格好やらがあって壁画とかになって遺跡に残ってるとして、そしたらフェアノールは大体シルマリル３つと共に描かれてるのが一番有名で、他にもポーズなりなんなりあるけどやっぱシルマリル３つと言ったらフェアノールでしょうと99パーセント断定できるような感じに発掘研究が進んでいて、そこにある日発見されたなんだか薄いし欠けてるし状態悪悪でよくわかんないけどどうもシルマリル３つあるっぽいからこれフェアノールの絵じゃない？って思われていてでもちょっと構図とか違うねこういうパターンもアリだったのかなぁとか考古学上の謎だったある絵の完全版というか保存状態のいいやつが発見されたと思ったら、神話(神話扱い(笑))上どう考えてもこれはフェアノールじゃない、フィンウェ図だ、今まで一枚たりとも見かけなかったフィンウェ図がこんなところに、っていうかすげー息子と似てないかあれこれとっていうか更に謎だこれはどっちが先なんだ、絵画上は父のが息子に似ているのかそれとも古代(古代扱い)(間違ってない)では普通にまずフィンウェ図ありきでフェアノールの構図が考えられたのか、それにしても全然出土しないってどういうことだやっぱりフェアノールの偶像崇拝禁止令＠父上限定のトンデモ文献は信じていいことなのかどうなんだー!?と研究者達を阿鼻叫喚させるくらいに、似てます。

　………や、普通に考えてシルマリル３つもふんだんに使ってオッケーなのはフェアノールだけだと思うが。思うが(あのファザコンエルフのファザコンぶりは勿論敬う側だって百も承知二百も合点)。

　というか意味不明な例えですね。エジプト・トルコ旅行から帰ってきた時に一番頭の中駆け巡ってた妄想は↑こういうのでした。今ド忘れして思い出せないのですが、神話の登場人物を描く(もしくは書く)時の定型表現、そして神様の「持ち物」、象徴…あんなにネタがあるんだ、シルマリルリオンでも絶対できるさ！と思ってたんです。だってどんなに「こ、こどものらくがき!?」みたいな壁画とかでも「これどう見てもすずめに見えるけど…多分隼なんだろうなぁホルスなんだろなぁ…」とか思えるこの便利さ(笑)あれちょっとシルマリルでやりたいな、やりたいな～、とか考えてたんです。ちなみに３つのシルマリルは信号色(黄赤青)ですが、一応ちゃんと天と地と海のシルマリルでちょっぴりデザイン違ってて、色のない壁画とかでもわかるがいいさ、とか考えてました。当然天のシルマリルが描かれてたら十中八九エアレンディルだな(近くに羽の生えてる女の人がいたらもう完全確定)とか、海のシルマリルを投げようとしてるか両手にひとりずつ双子の手を引いてるので表されるのがマグロールとか、ちょいと踏み外して両手に誰かの手を引いてる構図ってのは他にも数個あるんだけどその中でも女性ふたりを両手に…ってのはフィンウェさんだけだとか(笑)惜しむらくは私が絵を描けないことです…。この妄想そのままストレートに形にして見せてさしあげたい。絵は、理想のところまで頑張って描く気力がなかったからなぁ…多分描くのはあんまり好きじゃないんでしょう。書く方が好きさ。

　ところで。

　ウチのフィンウェさんは、フェアノールが息子じゃないと、すっごいひどいひとです。

　あれ、今でも充分ひどいって？やー、それは言わないお約束…っていうか言ってもいいんだけど、単純な話で、息子であればまだマシってだけで、どっちにしろひどいひとなので手塩にかけて育ててる息子がまともに育つはずありませんて。無自覚だけど。だから厄介なひとだと言うのです。どれだけひどいひとになるのかが気になってうっかり溢れて書いてたのがあのイフの世界、「楽園の東側」と「結び目のある心臓」とあとひとつ(タイトルだけは決まってるのです。「空は最後に暗くなる」です。フィンマエです(笑))…なんですが、続きを書きたいっていうかネタで放置してだいぶ経っちゃってアレ書いてる場合じゃない事態に陥ってからなんか書きたい病がむくむくと、というお前リクエスト受けといてその態度どうよ、なさいていなやつになってる気がします。…いえ、リクエストは死んでも仕上げますのでご安心あれ。ですが、スピードは期待しないでください…(その時点で終わってるよ)。

　読み返したらつくづくとひどいひとだなーって思ったんです、読み返してる理由？簡単ですよ、自分の中であれこれ考えすぎてわからなくなってきたから、読者ぶって、今までの読み返してそこから浮かんでくるヤツ像をどうにかしてとらえてやろうと――無駄なあがきでしたが。そしてどうやら熱がじわじわと出てきたようです。わぁ37度超えちゃった。微熱ですがなんだかなぁ。咳も酷いのでもう寝ます。