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ろめ日々の雑記=すなわちその日どんなネタを考えていたか、と化している妄想屋の日々の戯言



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 『柳家三三で北村薫。』

 を、観て来ましたよ。なんのこっちゃって?そらそうですな。

 北村薫氏の作品に「円紫さんと私」シリーズというのがございます。ヒロインであり語り手の立場にいる「私」と、探偵役である噺家春桜亭円紫師匠の日常ミステリーでして、かつ北村氏のデビュー作。そして何よりかにより、北村作品の「人間の悪意とやさしさ」が余すことなく書かれている。とか思ってます。だーいすき。

 円紫さんと私シリーズに私が出会ったのは15歳の時でした。今は無き「坂上文庫」…メトロ丸の内線の中野坂上駅に置かれてた自由図書にぽいっとハードカバーの「夜の蝉(シリーズ2作目)」が置いてあったんです。高校の帰り道、私それを手に取る。短篇集。面白そう。ふふふ。そして読む。ウワアアア超面白い!どうしよう!!とりわけ「夜の蝉」は「私」と「姉」の話でした。私姉がふたりおります。なんか親近感。余計面白い…。

 で、このシリーズは落語の解釈も含めて日常ミステリーが展開していくのです。私落語は当時観たことも聞いたこともほとんどなくて、その後、大学の授業で何個か聞きましたが…そしてかなり好きですが未だ自分で観に行ったことはなく…。んで、今回。

 本物の噺家さんがあの作品をやる…!しかも「砂糖合戦」と「空飛ぶ馬」!

 観に行きたーい!と思いましたがしかしチケットは完売(爆)。諦めきれないので強風吹きすさぶ本日、草月ホールまで当日券狙いで出かけていきましたとさ。とさとさ。

 いやあ~。面白いーっ!

 首尾よく当日券を昼も夜も手に入れまして、観ました、というか聞きました、というか…。高座もあるけどそれだけじゃない、朗読劇のようでそうでもない、ひとり芝居ではあるけどそれよりもやっぱり「噺」、そんな舞台でございました。

 で、私、三三さん初めて観ますので…噺も初めて聞きますので…どう演じ変えているかを比較検討は出来ないんですけど…原作を読んでて感じる円紫さんのやさしさと、それからこわさ。とても響いて伝わって来て、あー良かったなーいいもん観たなー!って気になりました。

 北村氏の作品は人間ってもののもつ限りないやさしさと、恐ろしい悪意を同時に描いていると思ってます。すこしこわくて、やさしい。最後は涙の出るような安堵が、はっきりしないふわふわした何かになって自分の周りを漂っている、そんな感じ。舞台もそんな感じでした。あーいいもん観た~。

 舞台の後に北村氏と三三さんのトークショーがついてるんですが、司会放置で話の弾むこと弾むこと…そこもめっちゃ面白かったです。

 あー、いいもん観た。
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