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ろめ日々の雑記=すなわちその日どんなネタを考えていたか、と化している妄想屋の日々の戯言



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 ほ、惚れ直してしまった(ばったり)。三度惚れ…これは危険だ、危険すぎる…。

 てなわけで花組『ファントム』観てきましたよ。あーもう前の再演も花だったから被ってめんどくさいなあ!蘭々コンビのファントムですよ。

 とりあえずこの作品は妄想の余地があってそれなりに好きなんだなあと確信する三度目の再演。かと言って再演してほしいもんでもないんだが。ていうか初演の時に妄想が暴走して今現在(7年経っても)引きずってるだけなんだが。しかしその妄想に一石が投じられた今回。そりゃそうか、初演と今回にはごひいきがいるんだから。

 さて雑感。話としては、まあ、いいんじゃない?とかしか言い様がない。だって私まんなかあんまり観てないもの…(酷)。でもやっぱし前回の再演の時も思ったんだよな、花組って、なんかコーラスが自己主張強いよね…無駄に「いかにもコーラス!」な宙頻度が高いからなあ…。んなこと思ってしまうのは仕方ないかなあ。

 蘭寿氏。あんたさすが主席だよ。個人的好みはともかくとして、文句のない主役でございました。明るいエリックってのもまあいいんじゃないかと思ってしまったのはこの方の芸風なのか、それとも壮氏があまりにアレだったからなのか。

 蘭乃嬢。すいませんその歌で二度も声をひっくり返されると手に汗握るどころではなくなってしまうのですがー。心配で心配で…って感じなので精進してください。つうか舌回ってないけど、どしたの?大ジョブ?って感じやねん…。最近個人的にちょっと可愛く見えてきただけに、がんばってねーって思うんだ…。あとやっぱ、クリスティーヌは、かよわく見える演技でかよわい分にはいいんだが、本気でかよわいとちょ、ちょっと…という役ですので。ええ。ちょっと…。

 壮氏。お前その音域今までどこに隠し持ってたんだ。

 愛音氏。伯爵、難しいんだね。だってエスパーだもんなあ、色々(笑)。扉のぶち破り方が今までで一番上品だったのにちょっと笑えてしまいました(爆)。

 華形氏。いい…!髭…!愛妻家…!

 朝夏氏。とりあえず、君の20年後くらいが壮氏になるとは思えないので、一体何があってああなったのかを妄想しがいがあると思った。

 桜嬢。大好きだー!ていうか、かわいい。

 あと花野嬢がいい存在感だとか、初姫嬢がこれまたいい小芝居してるとか、花組って娘役がひそかに良い仕事してて観がいがあります。いや、男役は男役でイケメンでございますが何かって感じなんですけどね。従者とか気張っててよろしいです。

 とりあえずこの話って、重要なのはエリックと、クリスティーヌではなくジェラルド・キャリエールさんなので、ここのキャストの違いでどうとでも転ぶんだなあってのを再び実感。ちなみに脚本も演出もほぼ前回の花組版を踏襲です。できるなら宙版からやってろよ…。あと新曲がちゃっかり3曲も入ってます。噛み合ってないウキウキデートを見送るファントムの曲と、2幕の伯爵のおうたと、クリスティーヌの幕前の嘆き歌。クリスティーヌのはともかく、他の2曲は変える意味がわかんな…ゲフゲフ。

 そういうわけで妄想も暴走して爆走したジェラルド・キャリエール氏語りは「つづき」から。あーも1回観ることにして良かった。日曜午後までに妄想がどれだけ発酵するんだろう…(発展じゃなくて発酵かい)(暑いから)(それ腐ってるって言わない?)

 臆病で意気地なし、であるがゆえに強い、とても強いジェラルド・キャリエールさんに会ってしまったっ。彼、絶対に「いいひと」ではない。むしろ「ワルイヤツ」だけどおっそろしいほど有能で、お堅そうに見えて茶目っけが無いわけではない。しそんでもって、存在感と得体のしれない迫力…威圧感…説得力のあるひとだ。

 色々ひっかかった(というか、おいおいとツッコむべきなのに何か納得してしまった)台詞の数々を、家に帰ってから前回再演時の花脚本で探してみる…あった…。じゃあやっぱりこれは彩吹氏も言ってたんだな。なんでユミコだと超へたれで、ここまで超へたれと挫折の芸風でやってきた壮氏のキャリエールがへたれてないんだろう…。予想外というよりもはや想定外。いや、壮氏いっつもこっちの予想のナナメ上の方向性と推測を上回る出来でかっ飛ばしていくんだけどさ…。そこが好きなんだけどさ…。

 壮氏のジェラルド・キャリエールさんは、岩の壁のようなおひとでございます。沈着冷静、有能な男。動じずに職務を果たし、気を許せば笑いもする。茶目っ気もある。けれどいっそ陰鬱といってもいいほどの翳りがある。すべてを1歩引いた外側から眺めてる。つかさ、蘭寿エリックにとって最大の障壁って、自分の顔じゃなくない?そこの冷たく立ちはだかってる岩壁みたいな父親殿なんじゃない、実のとこ?

 そんな印象なんですが、とにかく、壮氏のジェラルド・キャリエールさんはやっぱり挫折しているひとである。大体挫折して破滅、おおむね死んじゃうのが壮氏の基本形なんだけど、挫折してほとんど死んでるのにも関わらず生き延びちゃったひとがどうなるか、ってのが今回のジェラルド・キャリエールさんな気がしてならない。彼は死んでるのだ、実のところ。で、エリックがクリスティーヌの歌に希望や憧れや、遠い母の思い出≒愛の記憶を感じるように、ジェラルド・キャリエールさんもまたベラドーヴァの歌=真実の愛の記憶を呼び起こされる。で、……生き返る。生き返っちゃう。1幕で初めてクリスティーヌの歌を聞いた時、信じられなさそうに耳に触れるジェラルド・キャリエールさん。2幕の回想でベラドーヴァの歌に、やはり耳に触れるジェラルド・キャリエールさん。生き返っちゃうのだ。素直でお茶目で若干お調子者でへたれな、陽気で純粋に愛を語らう若者が。

 たとえば、エリックが普通の子だったら。たとえば、ベラドーヴァが心を病まなかったら。世間の規範も宗教のくびきも何もかも捨てて愛を選ぶことが、たぶん本当は出来る若者だったジェラルド・キャリエールさんは、臆病で意気地なしであるがゆえに、そうしなかった。できなかった。そしてそのまま、そうできたはずの陽気な若者(エリックの父親)を、ほんとうに愛したひとと一緒に葬り去ってしまった。叔父か誰かだと思ってるのはエリックじゃなくて、自分の過去を葬り去ってしまったジェラルド・キャリエールさん自身だ。愛しているけれども言うことはできない。言う資格がない。

 蘭寿エリックはすごい素直なひとなので、もうなんか言葉とかいらないレベルでジェラルド・キャリエールさんが父親だって分かってる。そんで大好き。なのでわりとスキンシップしたがってる。けど、そこには鉄壁の鉄面皮なジェラルド・キャリエールさんがいるもんだから、結局出来ずにいっつも対面終了。ああ、ジェラルド・キャリエールさんが意気地なしでさえなければ!とっくに地下出てどっかでやってけそうなんだけどなあ、この父子。

 エリックが、旦那→神経質な異能、寿美礼さん→繊細な天才、蘭寿氏→素直なプロだとすると、ジェラルド・キャリエールさんは樹里氏→お人好し、彩吹氏→へたれ、壮氏→頑固な意気地なし、ってとこでしょうか。しかし私今までエリック役者の方が基本的に好きだったしファントムって話をエリック中心でとらえて考えてましたが、今回は壮氏が好きすぎて(爆)ジェラルド・キャリエールさんの話として、ジェラルド・キャリエールさんの息子としてのエリックを考えてたようです。あ、今まではエリックの父のジェラルド・キャリエールさんを考えてたってことです。ジェラルド・キャリエールさんを中心としてエリックを見ると、多分なんだかんだ言いつつ一番しょっちゅう会ってわかりにく~い愛情を注いでそうな壮キャリエール。お前は一体何がしたいんだというような若干詰めの甘い曖昧な態度こそ、壮氏の持ち味へたれのかほりな気が致します。

 ああもうなんだか…。とりあえずあのジェラルド・キャリエールさんやたらツボだった。死ぬかと思った…。エリックが使ってた拳銃を冷静に自分の内ポケットにしまうとことか、そのくせいざその銃で撃とうとした時に撃てなくて一度下ろすところの薄らへたれ具合とか、葬儀中にずっと眼をつぶって涙をこらえてるとことか、そんで退場はまた鉄面皮とか…!どうしろと…!萌えろと!?萌えたわ!

 あと個人的にはYou are my ownにて、前回再演でうっかり台詞になってた「エリック…!」がなくなってたのがよりいっそう嬉しい役作りでした。あそこで感極って名を呼べるような父なら、意気地なしでも臆病でもない。とっくにオペラ座にはいないわな。あのジェラルド・キャリエールさんなら。あ、彩吹キャリエールはいいのよ、むしろ言うべき。樹里キャリエールも納得なのよ、楽に近づくにつれて感極って飛び出た台詞だから。

 そんで髭で美形とか、その低音域どこに隠してたとか、ともかく惚れ直してしまった危険すぎる壮氏のジェラルド・キャリエールさん。妄想が極ってSS書いてしまうかもしれん。何年ぶり~ってな話だわ…。

 あ!そういえば、伯爵が、ジェラルド・キャリエールさんに敬語つかってた!そういう関係らしいです。
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