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ろめ日々の雑記=すなわちその日どんなネタを考えていたか、と化している妄想屋の日々の戯言



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こわい映画、観たなぁ。

『シークレット・チルドレン』を観て来ましたよ。日本人監督のアメリカ映画ってざっくり言えばいいの?

 この中島監督の前作のLilyをテレビで観て面白かったので行って来ました。面白かった!

 けどちょっとこわかった。そしてめっちゃ考える映画でした…。うわー頭使ったなぁ…後でつづきで語ります。

 スッキリしないとかガッカリしたとかそういうのではなくて!でも「あぁ…」って感じの観賞第一声な映画でした。この後どうなるんだろう、とかもやもや、え…って考えちゃうというか。いや考えた。んでこわいって思った。

 クローンと人間の話なんですけど、音楽が讃美歌っぽいメロディでなんとなくキリスト教っぽいものを感じなくはない。あ、無宗教の人間がいうキリスト教っぽいですから、違ぇよ!と思われてもスルーして下さい。ううむ、面白い。でも好み分かれるんだろうなー。デートには向いてないよなー。私はこういうの観て後で語り合えるひとと付き合いたいもんだがなー。

 あとチラシはなんかズレてる気がする。オモテはなんかちょっとカッコよく怖いからいいとして、ウラ面は、うん、まあ、いいんだけど…?

 観て考えたのは差別って何だろうってこと。私自身は偏見からのものを出来るだけ改めていきたいな、と思ってはいますが、例えば…うーん、その、ゴキブリの這ったのを目撃した後にそこに暫く触りたくないな、的な生理的嫌悪感を感じてしまった場合にどういう態度が正解なのかな、とは考えますし、逆に私がゴキブリだった場合ですね、どう割り切るのかというか、どういう態度を求めるのが正解なのかという…正解ないんでしょうけど。臨機応変?何が言いたいのかよくわかりませんね(爆)。

 さてつづきからネタバレ全開。

 これから観るひと向けでは間違ってもないので、観た前提で語りますよ。




 最後のセドリックとソフィアはもちろん子孫を残せるんだよね。

 そういう問題提起というか、それをどう考えるのかとか、自分の倫理観に基づいてどう判断するのかとか、最後に突きつけてくる映画だなー。こわいな、と。

 それこそ差別の源はどこにあるのかという話で。自分の拠り所が揺らぐかもしれない話で。近未来の話だからこそ、過去有り得た話でもあるわけで。形を変えて色んな話に潜んでるテーマでもあって。

 36年前に生み出された3万人のクローン達は一代限りの奴隷達。「居住区」に住んでる。明確に自分はクローンであると教えられて育つ。そして成長して仕事につく。その頃には人間との区別はなんとなく曖昧になってる。で、新政府がクローン皆殺し法を発令、10年くらいクローン達は居住区から離れて人間に混ざり、レジスタンスが立ちあがり、そして…て流れだとざっくり把握。(カールとジュリエットは6年前から付き合ってるし、そういうことよね?)

 命令を遂行するだけのひと、救おうとして失敗するひと(物理的にでも、やっぱり無理だと諦めるのも)、色々出てくる。人間とクローンが絆を結んで、結局実らずに終わったりする。

 子孫を残せないクローンだけど、赤ん坊から始まって大人になる。最年長が36歳、も少し下もいる、んだろう。セドリックとソフィアは初期の子じゃないかな。そしてレジスタンスとしてクローン達の救世主になり、死に、(おそらく)アダムとイブとして復活した。そういう話だと思った。

 セドリックとソフィア、そしてマックスが結んだ絆が実ることになる。マックスは黒人で、皮肉なものだと言いながら死んだセドリックとソフィアを蘇らせる。今現在7歳のこどもたちは成長して、多分、お互いとでも別の相手とでも、結婚して子孫を残せるだろう。そうじゃないと意味がない。

 政府がクローン(シークレット・チルドレン)はいなくなったと報じる世界に本当のシークレット・チルドレンが飛び出していく。そして混ざって、溶け込んで、きっとわからなくなる。つまり私達はクローンの子孫たちである可能性があるわけだ。

 だからちょっとこわくて、すごく考えちゃう映画だな、と思う。

 もしかしてセドリックとソフィアはただ自分達のクローンを作ってくれと言っただけかもしれない。マックスがそれに手を加えたのかもしれない。子孫を残せるは私の妄想で、ただのクローンかもしれない。けどさ、これって単なるクローンと人間の話と言うよりは、「異質とされるもの」と「普通とされるもの」の話だと思うんだよね。だから異質は普通の中に秘密として存在しなくちゃいけない。存在を消されるのが敗北なのだし。

 好きなところは色々あった。あのエレベーター乗りたいわーとか(でもあそこには住みたくない)、こういう顔をしてるなコヤツはと思うひとが正にそういうことをするので、実にぴったりキャスティングだぜ、と役者を何も知らずにそんなこと思ったし、処理班のボスは一箇所しか瞬きを見せないので共感したか!と思わせて、の演出が良いなーとか、ジュリエットの気持ち超わかるぜとか、エレーヌ姐さんそれでも貴女はカッコイイ、とか、ギル、お前ってやつは、とか…。

 もうちょっと間をおいてもう1回観たいなー。

 おもしろかったです。
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